1999/09

9/29 今日は、安房川でのダイビングポイント調査です。川でのダイビングは、あまり資料が無いため、生物層、安全管理など、さまざまな課題を抱えてい ますが、やっと、ある程度かたちになってきたように思います。屋久島の川はとても短いため移動距離も少なく、河川の上流息から河口汽水域まで、タンク一本 で潜ることも可能で、通常のダイビングではお目にかかることの無い光景や、生物達を見ることが出来ます。今日観察できた生物は、アユ、ボラ、クサフグ、ヤ スジタカサゴイシモチ、オオクチユゴイ、ギンユゴイ、ゴマフエダイ、キチヌ、クロボシマンジュウダイ、ギンガメアジ、カワアナゴ、コバンヒメジ、ウナギ、 サツキハゼ、ヨシノボリ、ゴクラクハゼ、ボウズハゼ等です。また、川のトロ場には小さいながらも沈船があり、生物達の隠れ家となっています。

「アユの群れ」と「水中から見た松峰橋」

9/28 今日は、屋久島の別のダイビングショップのスタッフを交えて、ポイント調査を行いました。潜水地は、尾之間と平内です。尾之間では、やはり、定 番のツバメウオ、マダラトビエイ、アオウミガメ等、今日も元気でありました。また、小ケーブの中では、テンジクダイの種類の多さに気づきましたが、時間が 足りなかった為、種の確認作業は出来ませんでした。今後の課題にしたいと思います。回遊魚も多くなり、頭上をツムブリの群れが通り過ぎたり、ナンヨウカイ ワリの群れに囲まれたりもしました。平内は、今まで、小さな根の周りを回るコースだけを使っていましたが、ほんの少し沖に出てみたところ、大きな根を見つ けました。アカモンガラが大変多く、潮がかなり出る場所であることが推測されます。また回遊魚も回っているようで、今日はカツオ、ツムブリなどを確認しま した。また、ここで目撃した雌のアオウミガメは、右前肢が欠落しており、交尾の際に雄亀に噛み切られたか、サメに襲われたかしたものと思われます。

9/26 今日は、クレーン下でのシュノーケリングコースで、1,2mほどのオニカマス(?)を目撃しました。また、ギンガメアジを筆頭に回遊魚が回り出しました。キビナゴが多くなってきたので捕食の為に寄ってきているようです。

99/09/22

お詫び

落雷によるPCの故障のため、しばらく更新できませんでした。大変申し訳ありませんでした。

9/20 今日の潜水地は、尾之間です。このポイントには、ロウニンアジ等の回遊魚が良くまわっているのですが、何故か、ここのところ、あまりダイバーに 近づいてきてくれません。ガイドが発見してもお客様はほとんど気づかない状態で、悔しい思いを多々しています。とは言うものの、今日は、(80cm程度 の)ツムブリの群れ、マダラトビエイ、ツバメウオなど定番の魚達が我々を楽しませてくれました。ここには良くカメが休んでいる場所(通称、寝床)があり、 今日は、5匹ものカメが休んでいて、その中の1匹にはかなり接近して、じっくり観察することができました。また、小さなケーブの入り口付近では、ヒレフリ サンカクハゼがチョロチョロしていました。奥では、とても立派なイセエビを観察することもできます。

9/19 本日は、足場の悪いポイントながら、なかなか楽しませてくれる北側のポイント、一湊で、怒涛の三連続ダイブです。通常このポイントでは、回遊魚 とハタタテダイの群れをメインに、沖に出て大物を待つというのがお決まりのコースなのですが、せっかく3本も潜るので、日ごろ、観察する機会の無い、一湊 でのマクロを攻めてみることになりました。本日の最大のヒットは、イバラカンザシでした。なにをいまさらという方も多いであろう、特に珍しくも何とも無い この生き物ですが、こいつの放精と放卵のシーンに出くわしたのです。水深約17mの砂地にある、極々小さな岩場で、ここに住むすべての個体が産卵行動をし ていたのです。(ちなみに、この日、同ポイントの他の場所では、全く、産卵行動は確認できませんでした)ゆるい流れの中で、放出された白い精子と赤茶色の 卵が、細い筋となって流れていく様子はとても幻想的でした。また、この砂地には、共生ハゼも多く、数種類の共生ハゼとエビを観察することが出来ます。そし て今日は、ハナヒゲウツボの積極的な捕食行動も観察できました。頭を小刻みに揺らしながら、巣穴から出てしまわないギリギリまで、精一杯、体を伸ばして、 目の前を泳ぐ小魚を捕まえようとするのですが、その要領の悪いこと極まりなく、全く捕まえることが出来ません。かなりの時間、観察を続けたのですが、結 局、一匹も捕まえることが出来ませんでした。

9/18 本日の潜水地は、久々の南側のポイント、栗生と、尾之間です。低気圧などの影響で若干のうねりがありましたが、透明度などはまあまあです。回遊 魚はあまり見ることは出来ませんでしたが、栗生では、カミソリウオ(約8cm)ヤッコエイの捕食シーン、チョウチョウウオやオヤビッチャ等によるダルマオ コゼへのモビング、尾之間では、相変わらずのツバメウオの群れ、多くのマダラトビエイとその捕食シーン、1m位のロウニンアジ、ナンヨウツバメウオの幼 魚、マツダイ等を見ることが出来ました。マダラトビエイにいたっては、数匹がエキジット直前の水深1m程度の所まで来ていて驚かされました。このポイント は、STAGEⅢから近く、ほとんど毎朝、海況の確認に行っていますが、堤防内側の、水深1m程度の場所でマダラトビエイ、ナンヨウツバメウオの幼魚、マ ツダイ、小型のギンガメアジ等を陸上から確認することもたびたびあり、その日の潜水に期待を持たせてくれるポイントでもあります。

9/16 今日の潜水地は、一湊と、クレーン下です。両ポイントとも、見事に回遊魚に嫌われてしまいました。特に一湊では、定着しているはずのナンヨウカ イワリの群れ、ムレハタタテダイの群れ、ハナヒゲウツボまでがお留守でした(とはいえ、ナンヨウカイワリ、中型ロウニンアジ、ツムブリなど多少の魚影はあ りましたが・・・.)その他の魚影もいつもに比べると少なく感じました。その原因は、イルカです。クレーン下を潜水中に、イルカの声らしきものを聞いたの で、もしやと思っていたのですが、潜水終了後に、大浦温泉に行ったところ、イルカ(種類は不明)の群れが沖で遊んでいました。その数およそ40~50頭。 温泉の管理人さんの話によると朝からずっと大浦周辺をうろついていて、もっと多くの数がいたそうです。スキンダイビングで接近を試みましたが、残念ながら 水中で確認することは出来ませんでした。なお、お客さんは見ることは出来ませんでしたが、一湊では、メジロザメの仲間らしきサメも目撃しました。一湊でサ メを目撃すると、昨年のハンマーヘッドの捕食シーンが思い出されて、ちょっとドキドキしてしまいます。

9/01からの概況 海洋状況は、水温 29度前後、透明度は雨量により大幅に異なりますが、だいたい大雨直後で10~15m、普通ならば15~25m程度です。ツムブリ、ロウニンアジなどの比 較的大型の回遊魚の数が少しずつ増えているようです。(但し例年に比べると海中の季節の推移が遅いせいか、回遊魚全般の出現が遅れています)ウミガメの産 卵地周辺の海域では、小亀の姿を目撃したことも何度かありました。但し、台風や熱帯低気圧などの影響で島の南側のポイントが潜りにくい日が多く、潜水でき ない場合もありますのでご注意ください。ボートも島の南側に係留してあるため、危険防止のため引き上げてありますので、現在、ボートダイビングは出来ない 状態です。予めご了承ください。