屋久島の海で「マスクマウントカメラ考」

ここ数年、僕が海に持って入ってるのはほぼマスクマウントカメラのみ。GOPROとSJ4000。
前にも記事で投稿しましたが、いわゆる最近はやりのウェアラブルカメラという奴です。

マスクマウントの利点は「目線がそのまま記録!」「両手フリー!」ってことだと思います。
ゲストさんにつけてもらっても結構楽しんでもらえると思うんですけど、GOPROユーザーはだんだん多くなってる気はしますが、実際のところ、マスクマウント自体が一般的ではない。試しに何人か(の同業者)に試してもらって見たものの、なかなか導入に踏み込んでもらうまでには至らず。

思い出の映像(笑)として考えてみると、ガイドがつけるのとゲストさんがつけるのとで、同じ目線カメラと考えても、相当な差異が出てきます。
その最たるものは、ガイドの付けているカメラにはほとんどの場合、「一瞬勝負のものは、一番いいところが写らない?!」ということです。もちろん動かない相手や風景なんかは、そこそこ落ち着いて撮れたりしますが、「あっ!あれだっっ!」的に瞬間を見てほしいときなんかは、だいたい指差した後にお客さんを振り返って気付いているか?見えているか?あたりを確認しちゃうので、肝心な時にはそっぽ向いていることが大変に多く・・・。ゲストは見られても僕の記録には残らないと。こりゃあ残念(笑)ま、ある意味しっかり仕事してる証拠といえばそうなんですけどね(泣)
裏を返せばお客さんの視線に「あれだっ!」が映っている可能性はガイドより高いこともあるわけで・・・。
そして、もう一つ。ガイドさんのカメラの動画は相当揺れまくってるはずです。ゲストみて、前見て、回り見て・・・。とにかく見なきゃいけないものがてんこ盛り。キョロキョロしてればそりゃもう画面酔い必至なほどに揺れちゃいます(笑)

対して、ゲストさんの動画はのほうが結構見られるものが多いようです。ガイドほどキョロキョロしないし、見たいものにはしっかりとかぶりつけるし・・・。ちょっと意識するだけで結構見られる動画が撮れると思います。
もちろん習熟の度合いによりますが、実際に使っている方の動画を見てみると、速い動きに追随するにはむしろ好都合。ドルフィンスイムなんかで大活躍しています。

まあ、結局ガイドであるところのわたくし、あとから見て楽しむというより、もう完全にドライブレコーダーとしての利用となっております。当初の目的通りではあるので、そこのところは至極満足なのですが、やっぱり一番いいところを押さえておきたい気がするのはやはりまだまだ精神修養が足りないか・・・。

両手フリーってことは結構ありがたいもので、つまるところ「感覚として持ってないときと変わらない」ってことですね。
今まで通り潜るだけで自分の目線が記録される。今までと同じ動きができる。カメラも持てるしスカーリングもできるし、マスククリアやホースのリカバリもなんら変わることはない。お客さんと手をつなぐこともできるし、とっさの時に両手が使えるってことはストレスの解消にも、安全の確保にも大変にありがたいわけで・・・。

それと両手フリーってことは、もう一つ「荷物にならん」って言うことです。
今まではカメラを持っていくと片手がふさがるか、BCにぶら下げてブランブランするかというのが多かったと思いますが、マスクの上にしかとマウントされていれば、これまた実にストレスフリー。

さて。写真や映像を取るという行動は、自分の目でそのものを見る時間を削ってやっていることなんだなあと。
漠然としていたカメラなんかに費やすコスト(お金だけの話ではないです)を考えた時に、その場にいない人に思い出をつたえるものであれば、超素晴らしい映像や画像である必要もないわけで、それはそういうお仕事をしている人に任せちゃえばいいよなって。
ディズニーランドで楽しむ時には写真の写りより自分の楽しみのほうが大事だったりしないですか?
そういう意味では趣味の写真はスナップに勝るものはないんじゃないかなあと。

人に伝えるための写真という意味では、僕ら地元事業者もそうかもしれませんが、ほかに事業者がいなかった時代はともかく、今ではもう屋久島には写真の上手い業者さんがたくさん。
独立した元スタッフ(アンカーの福山くん)なんかどうしたって今どきのカメラに詳しいしうまいし、もう腹立たしいくらい僕なんかより達者(笑)

というわけでそういう写真はすべてそんな方におまかせして、もっと違う方向を突っ込んでみていってもいいかなあって。

先日古~~~~くからの常連さんが遊びに来てくれた時に、久々にコンデジなんか持って行ってみたんですね。
以前はガイドの時にも持っていって(とりあえずぶら下げて)た時期もあったんですけど、手ぶらになれたこの身にとっては結構大きなお荷物だって言うことにあらためて気づいてみたり。
はずす、持つ、構える、撮るという動作がどうしたってついてくるわけです。ちょっといい写真撮ろうと思えば集中力はお客さんからファインダーやモニタに移るのも当然。
あっという目に面倒になって(笑)結局腰にぶら下がったままになっちゃった。

僕にとってはマスクマウントカメラというのは、よりゲストに集中できるアイテムであることを実感している今日この頃です。