こだわりの潜りのお道具。~僕のお道具編~

プロやハイアマの皆さん。それぞれ、道具には譲れないこだわりがあると思います。

僕の場合はずばり「丈夫でシンプル」でございます。命を預ける道具なれば、それはなおのこと。
しかも道具に対して、ちょっとひねくれこだわりが強くて偏ってるもんだから、果たしてそのまま人に勧められるかというと正直どんなもんかと・・・。(笑)
どんなもんどころかそのまんま売ってねーよって(爆)

そして、僕の愛用品はカタログ落ちしているもの多数。いやカタログ落ちって言うよりも骨董品にちかいのも?(笑)
業界の一端を担う身として、そういうのって如何なものかと思いつつも、「だって馴染んでるんだもん」と、本音で片づけるのも悔しいので、もう一つの本音。「大事な相棒だからさ・・・。」とか言ってみたりして(笑)
冗談はさておき、長く使える=メンテナンス体制がしっかりしている。ということなのでここいらも大変重要なファクター。ただ、長く使うのが絶対に良いことだとは間違っても言いません。新しいものには新しいなりにいろいろな技術は反映されますし性能だって(本来)上がっていくはず。パーツ自体の経年劣化ってものも絶対にあるわけだし。ぼちぼち買い替えながら使うってほうが一般的。

ま、使えてこそ道具。使ってこそ道具。
どれが良いとか悪いとかいろいろなご意見はありましょうが、結局のところ、基本性能がしっかりしていることを前提ですが「目を閉じてても普通に扱えるくらい慣れた道具」がある意味いちばんいい道具ではないかと。(そういう意味でマイギアをお勧めしてます)
それと、いつも手元にある自分の道具は最後の最後に頼れる予備器材。ってことで、基本的にはいつも2セット(2パターン)車に積んでます。

レギュレーター
きちんと手入れさえすれば、大変に長く使えるもの。要は呼吸のための道具なので操作って言う操作は基本的になし。なので操作感どうこうっていうこともあまり関係なし。これはレギどうこうってよりホースに依存するかしらと。あとは2ndの大きさかな。
ただ、あれこれ使ってみるとそれなりに呼吸感がちがうもので、いったん慣れたら他社製に変えにくいってのもあるやもしれません。(変えてしばらくは違和感があるって言うんですかね)

APEKS XTX20(但、現行一つ前のモデルです)


最新型に縁がないなあと我ながらあきれつつ(笑)アクアランググループの質実剛健ラインナップのAPEKSブランド。テクニカルダイビングとかの人にはお馴染みかもしれません。もともと、世界各国の作業ダイバーさんに支持されて続けていたらしいAPEKS。アクアラングさんの取り扱いになってだいぶお馴染みになってきております。一応今どきのものも使っておかなきゃと思ったりして、数年前にこれを選択。(まあその時点ですでに最新モデルでも何でもないのがいかにも僕らしい(笑))
突拍子もないハイスペックラインもありますが、僕のは一番お安いモデル。といってもレジャーダイビングにおいてはお釣りがくるほど十分な性能。やたら軽くて吸い易いとか、やたら軽量とかそういう尖がったタイプじゃないですが、とにかくひたすらに安定した呼吸を提供してくれます。プライマリ2ndを180cmにしたロングホース仕様で運用中。

AQUA-LUNG Conshelf XIV(カタログ落ちなので、もう手に入りません)

その性能はただひたすら基本に忠実、かつ基本性能を追求した一つの完成形、ミリタリースペックのにくいやつ。基本設計、発売はもはやかるく30年(もっと?)以上前にもかかわらず、ごくごくマイナーな仕様変更あるいは名称変更で、相当長くカタログに載っていたのだから凄い。
まあ何年も前にカタログから落ちちゃったけど、それでも相当な長寿商品だったのは間違いなく。僕のもダイビング始めた頃のだから四半世紀くらい前のもの。激しく移り変わる製品も多く、各社各モデルの整備部品も続々と消えていく中で、いまだオーバーホールのパーツが手に入るのは感動もの。長年つかってOHをし続けていたら中身が(外身も)そっくり入れ替わってたりしても不思議じゃない?!(実際のところ飛行機とかはそうみたいですね)たぶん僕のもそんな感じ。予備パーツもまだそこそこおさえてたりするので、もしかしたら僕が引退するまで使えるんじゃないか?(笑)くらいの勢いです。プライマリ2ndを180cmにしたロングホース仕様で運用中。

BC
まあ、言ってしまえばダイバー用浮き袋。空気を入れると出すのみですが、袋の形状や操作系がまるっきり違うこともあり、フィンとともに大きくその使用感が製品によって異なるのがこのBC。選択はなかなか悩ましい。じつは20年以上前から数年前までは、蛇腹無しジャケットタイプ一辺倒。すっかりその感覚が体にしみこんでいて、違うタイプをメインに据えることはなかったのですが、齢4?を超えてから心機一転。せめてカタログ落ちしていないタイプ(今年落ちちゃいましたけどね(笑))を使ってみることにしたはずなのに脱線しまくっちゃって、今では自分でパーツを組み合わせた完全オリジナルBC使用中(爆)

AQUALUNG DIMENTION i3 (あ、カタログ落ちしちゃった・・・。メーカーにはまだ在庫あるみたい)

僕の選択としては珍しく、ごつかったり重かったり・・・。個人的に欲しかった機能は「蛇腹ホースがないこと」「超久々のバックフロート」「デカい浮力」の 3点。この時点ですでに一般的ではない気もしますが(笑)これは完全にクリア。これの前に使ってたのがあまりに体になじんでいたため、変えた当初は、ほんの一瞬の操作の反応の遅れもありましたが、まあ、慣れの問題。思うところあって、ついでにバンジーコード付けたりちょろっとカスタマイズしてみたり。
片手で吸排気操作ができるというアクアラングさんのi3システムというアクアラングさんのインフレータの構造。一見するとなんかめんどくさそうですが中を見てみると意外とシンプル。メンテも楽ちんそうで好感度高し。あと背負ったときに歩いてて(水中もね)すごく楽。ラップチューレハーネスシステムという舌を噛みそうな名前のシステムだそうでこれはびっくりってくらいじゃすとふぃっと!
もちろん気に入らないところも書いときます。ほぼ左手でしか吸気操作ができないということ。これがせめてもう少し体の中心線に近いところにあれば文句なしであります。それと重いので飛行機を使ってのダイビング旅行が多い方には絶対お勧めしません(笑)
あとポケットがちっこくて片方にしかついていないのでゴミ拾いには絶対不向き(笑)

パーツかき集めDIY・BC

自分のダイビングに必要なBCの機能だけを集めてみました。古いハーネスにバックフロートBCのブラダーを若干強引にセットして、保持部分と浮力体のみという、まさに「The Buoyancy Control Device」 一昨々年までお仕事での出動があまりなかった最大の理由は、「冗談が過ぎるっぽい(周りの視線が冷たい)」、「良いポケットが見当たらない(ゴミあんまり 拾えない・・・)」「浮力ちょっと小さめ(今まで使ってたのと比べればね)」というウイークポイントがあったから(笑)ま、D環は自分好みの場所に何カ所 かつけているのでものをぶら下げるには不自由なし。クッション代わりにショルダー部分にはロープも仕込んであるし、とにかくやりたい放題(笑)ちょこちょ こパーツも入れ替えたりしているので日々進化中。ついに今期は不満点の解消を狙った2代目(後ろのやつ)まで登場(笑)
それにしても、当然、このまま人に勧められる類のものではありません。同じものは一つとしてないし、僕だけにとって使いやすいように組まれてるわけですからね。
ですが、最近のテクニカルダイビングのハーネス&ブラダーのシステムのように自分に合うパーツを集めてカスタムするという方向が出てきた今、その流れから すれば、もう少し人前で使ってみてもいいかなって訳で一昨年からはメインの座を奪いつつあり。ポケットも(無理やり)つけたことだしゴミ拾いもできなくはない(笑)
「なんだありゃ??」な変なBCを僕が来ていたらこれ(笑)ところどころに冗談がまぶしてあります。

 

フィン
ぶっちゃけ(ぶっちゃけなくても)ここいらへんはある程度消耗品。何しろ本体(素材)そのものが抜き身で使われるうえ、その形や柔軟性がそのまんまスペックに反映。当然改造の余地なんてほとんどなし。
だから壊れるときはまず本体ってなもんで、交換できるのはストラップぐらいという・・・。
そしてダイビングスタイルやあるいは個人のお好みによって選択が大きく変わってくる道具。
僕はごくごくスタンダード(クラシック?)なもの、そして基本性能重視の目立たないけど優等生的なものがお好み。

あと、あんまし大きいのとか長いのはご勘弁願ってます。むしろ小ぶりのかわいいくらいで十分。なんてったった楽ちんちん(笑)ガイドしてても僕のフィンより小さいとか短いフィンの人ってまず今まで見た記憶がない。といっても、お客さん引っ張って泳ぐのに不自由したような覚えはなし。裏をかえせば多くのダイバーさんにとってどれだけ必要以上にデカいフィンを振り回している状況が多いものかと・・・。
「進んでる」って実感と「抵抗が大きい」っていう感触は案外と間違ってることが多いように思えます。デカいフィン、堅いフィンは蹴るときに抵抗が大きくなりがちなので「すごく進んでる~~っ!」って言う気がすることも少なくありませんが、レンタルのとか僕のちっこいフィンを「試しに使ってみて」って渡して、ぶいぶい泳ぎ倒したりしてみると「!!」になるお客さん。大変多いです(笑)
つまるところラクチン。
(レースとか特殊な環境は別かと思います。遊びの範疇のレジャーダイビング用フィンについての個人的な考えです。自分のトレーニング用に一は応ロングフィンも持ってたりしますがお仕事では使わないです)

TUSA Kail Fin

使用感から言えばフルフットフィンが大好きなんですが、じつは昨今よく見かける長いフィン、デカいフィンっていうのがあまり好きでなく。なんか先っちょまで神経が届かないような気がして(笑)いやいや、短いほうが取り回しが楽だし、あちこちぶつかったり邪魔になったりしにくい。どうしてもフルフットフィンてサイズが上がるとどんどんフィン自体がデカくなる傾向があって、少なからずフィンキックの感触もサイズとともに変わっちゃうのがちょっと嫌。なので、裸足で行けるときは小さ目のフルフットを使ってましたが、ブーツでデカいのを履くのをず~~っと躊躇しておりました。
が、やっと出ました。サイズにつられてデカくなり過ぎないフルフットのゴムフィン。ヌメッとした(すごく褒めてます!)かき心地。気持ちよくしなる柔軟性。ペラペラ過ぎない心地よいトルク。やっと満足いくフィンが出てきたって感じ。裸足で履く時用とブーツで履く時用と二サイズを使い分けております。

DIVEWAYS TRISTER

現行の評判の良いスタンダードなゴムフィンのご先祖様みたい(実際そうだけど)な製品。(この会社のフィン自体がいまどきの国産ゴムフィンのご先祖様みたいなものですし)その基本性能はその系譜を受け継ぐ新型のものにもまったく引けをとりません。ひたすらシンプルなバックル(一旦調整したら動かせない、いや本来動かす必要すらない)。取り回しの良い必要十分な長さ。このフィン何本使いつぶしてきたことやら。物販の都合やらなんやらで浮気したことも幾度と知れずですが、本気で僕をこのフィンから乗り換えさせるようなフィンが今後はたして出てくるかどうか・・・。ってくらいのお気に入り。それと、JAUSのデモ動画を見て、実際やってみると心底思うのですが、このフィンの堅さと長さはやはり絶妙。一般的なフラッターキックでののんびり泳ぎからダッシュまで、そしてフロッグキックやバックワードキックまでその取り回しの良さと水をつかまえる感覚は絶妙です。
ここ数年はストラップを自作のバンジーに変えちゃって心地よく使用中。
同社のフルフットフィン、ムスタングも逸品なのですが、こちらはブーツで履くには小さいサイズしかないのでイチオシにはなれず・・・。残念。

マスク
最近スカート部分の薄いのが多くなってきた気がします。軽く締めるだけで結構フィットする感じなので増えるべくして増えたんだなと。とにかく水が入らないってのが第一。よく見かけるのがやたらときつく調整されたストラップ。さすがに顔にあわないって程のはあまりないけど水が入るとかズレるっというのは会うあわない以前にマスクの位置やストラップの位置、きつさが原因って人も少なからず。
DIVEWAYS EYE-EYE MASK

正直、色や形など見た目は???な感じでいまどきの感覚にはちょっとなあ・・・。ですが、その機能は他に比肩するものがない超ハイレベル(ほめすぎかなあ(笑))。信じられないほどのフィット感とその大きさから想像できないような広い視界。今までのマスクとは全く違う妙になじむ装着感は癖になります。実はマスクのくせに細かくサイズがあるというこれまた斬新な製品構成。顔にあった時のフィット感は最高です。そのストラップにも特徴があり、無段階で調整可。一度調整したらもはや動かす必要もなし。後頭部のヘッドパッドがまたその特異な外見から「???」に見えますが、じつはこれが信じられないくらい装着時の安心感をぐんと増してくれます。ただ、完全に形ができているので合わない人は徹底的に合わないかもと思います。うちのスタッフはヘッドパッドの「見た目がいや」という理由でオーソドックスなストラップに変更してます。(ちゃんとその選択ができるようになってます)
贅沢にも「さらにこうなったらいいなあ」と、ちょいとメーカーさんに希望を出してみたら、あっという間になおしが入ってさらに使い勝手がぐんとアップ!!

一押しではございますが、残念ながらいったん調整したらストラップの長さを変えるのにひと手間かかるのでレンタル向きではありませぬ。もちろんレンタルの準備もございません・・・。

ブーツ
泳ぐのなら薄手のものソックスみたいな製品もお勧め。でもビーチエントリーの頻度が高いなら、ソールのしっかりしたタフなものがおよろしいかと。
ぶっちゃけブーツ単体としてあまりこだわりって程のものはないですが、できるだけフィンとのセットで考えるべきものだなと思ってます。
Kail Boots

薄手代表はこちら。フルフットのカイルフィンを使う場合にはこのブーツです。フィンと合わせて設計されているので相性は抜群。
薄手で滑らかに動くうえ土踏まずの部分がちゃんと締まっていて、非常に快適。ただ薄さの裏返しで、足場の悪いところや長い距離を歩いたりのところではちょっと足の裏に刺激が強すぎるのがまあ難といえば難。

 

 

AQUA-LUNG Ergo Boots

僕のような甲高幅広な「ざ・じゃぱにいず」な、お御足には、「や~~~~~っと出たぜ!」なこの形状。快適快適(笑)ソールもかなりしっかりしていて岩場などでも相当自在に歩き回ることができます。ストラップフィンを履くときはこれを使っています。

 

 

 

 



以前に使ってたのはこっち。
基本的にどれも好きです。「サア今使え!」って言われても全然OK。ただ、ほんのちょっとの馴染み具合や使い勝手、あるいはタイミングでメインの座を追われた形になってるだけで、その差もごく小さかったり。ホントはどれも使っていたいけど体が一つしかないもんで・・・。(笑)

以前のメインレギュレータ
DIVEWAYS SR-4BA Regulator
 (現行モデルはこの進化版です)
こちらは純国産のメーカーさん。とにもかくにも職人さんによるこだわりの品質管理。安全をとことんまで追及した妥協なき製品群です。コンシェルフと同様に発売は30年以上(?)前ですが、より安全にむけ常に進化し続け、いまだバリバリの現行モデル。発売当初の製品もいまだ現役で稼動しているもの多数。メーカーさんのオーバーホールもまた素敵な職人仕事で長い期間での利用を支えてくれて、たまらない安心感で潜らせてくれます。とにかく長く使うぞっていうことなら、このメーカーのものがイチオシ。いままでこの会社で販売した製品はほぼすべていまだに使える状態に整備してもらえるっていう、もうそれだけで立派な選択理由。いまだそのスペックは最新型に引けをとることもなく、とにかく最初の基本設計がどれだけしっかりしてたんだろうって驚くばかり。
自分で使いたいんだけど、口は一個しかないし(笑)仕方ないのでレンタルで活躍中。しかもホントつい最近さらにまた進化(4AN)したようで「どうしよっかなあ。買っちゃおうっかなあ・・・」とカミさんにばれない方法を模索中(笑)

以前のメインBC
SHERWOOD PRO BLACK

一番長く使ってきたBC。僕の水中での動作はこのBCに最適化されていたといっても過言ではないくらい、当時の僕にとって理想形なBCでした。一世を風靡した某社のものと同じくジャケットタイプ。特徴的なのは蛇腹ホースがなく、吸気操作部がドライの吸気バルブ形式スライドタイプで、みぞおちのチョイ左(普通の インフレーターと同じ辺り)にあること。この位置は両手で操作できるとても良い操作場所です。そして排気は両肩と後方下部のダンプバルブ。無駄なものがなく結構軽いし、浮力も十分。ポケットもよい場所に十分な大きさで存在。予備のウェイトをほり込んでいることも多かったし、なによりこのポケットにどれだけ のゴミを拾ってきたんだろか。
おかげで破れるのは必ずポケット部分から。袋部分は大変に丈夫で、まともにエア漏れで引退したのはないなあ。
残念ながら10年以上前にカタログから落ちちゃった。2枚使い潰して、今のが最後の一枚となりました。
きっと無いとは思うけど、もし再発売されたら、また買っちゃうかも・・・。

以前のメインフルフットフィン
GULL MEWシリーズ
ダイブウェイズのフィンの新世代版というのかなあ。(新世代になったのはやはり30年位前だけど(笑))
こちらの会社の軽器材は日本人向けに開発された非常に良いものがそろっております。他社さんに聞くと「打倒MEW」「超えろGULL」とかほんとに言われちゃうくらい。
最初に使ったのが「MEW」で、その後も長くぼくらにとっての「KING OF FIN」だったわけです。その中で愛用だったのは「SAFE MEW」でした。ほんの少しノーマルタイプよりもコシがあってそれでいて硬いって感じではない絶妙な頼り心地。ただブーツ使用にサイズを合わせるとブレード自体がデカくなっちゃうのが「うーん・・・。」って感じてたところにそこを解決したKailFinが出てきたから今はお仕事のメインの座を明け渡しております。
それでも、このシリーズ、とてもよいフィンです。