気になる・・・。“会心のOW講習”

海洋情報ってやつとは全然違うんですけどね。何しろ今回の話は一昨シーズンのネタですから(笑)
書くだけ書いて、書き直し何回かしてるうちに、アップするのを完全に失念しておりました・・・。
実はこういうの多かったりして・・・。(ちょっと反省)
講習の問い合わせのお電話をいただいて、「あ!」と思いだしたもんで・・・。


前回よりもっと良く。前回よりもっと良く。って思いつつ、まあそう多くはないOW講習をYMSでは(というか僕が)行なっております。
講習の度に振り返りつつ「あーでもない。こーでもない。」といろいろな見直しとシミュレーションをてんこ盛りに考え込んで次の講習にフィードバック。
そういう意味ではうちの講習生って、毎回毎回実験台(笑)

今回の実験台(違う違う(笑))は、屋久島の小売業のアイドル(?)。
お勤めを終えて、島を出てしまう前にダイビングをということで、お買い物でいろいろお世話になったご縁でOW受講決定(笑)

今回は事前の想定以上、あるいはそれ以上の結果の出た講習でありました。

SMB安全停止

講習で必要なスキルを履修するのは至極当然というか、そもそも、それをしに来てるんだから出来なきゃ認定できるわけもなく、できるようにしなけりゃ指導員の沽券にかかわる。
もちろん個人差とかもあったりするわけなので、様々な要因で必要なスキルができないのであれば「これこれこういうわけで、できないところはちゃんと補習してから認定しますね」って言わなきゃいかん。

残念ながら、ご来島いただくゲストのうち、けっして少なくない確率で、「これで認定されてちゃいかんだろう」なケースがあるのもまた事実。
きちんとできてないのに「うまい!うまい!」とか「大丈夫!大丈夫!」とか言われて、補習もしてもらえずとりあえず設定された日程を消化して、認定ダイバーとして送り出されちゃう。これって、お客さんは詐欺にあったといってもいいくらい。
人づてにそんなのあるよとは聞いていましたが、「『講習終わったらマスククリアしないから、講習中に一回できたらもう出来なくても大丈夫だよ』って言われました。」って、実際にお客さんから爽やかに言われちゃった日には、真剣に(その指導者に対して)激しい怒りすら覚えます。

幸か不幸か、わたくしの所属するJUDFという指導団体は、現在では決してメジャー団体とは言えず(笑)、手厚く充実した教材ってもんがそろってるわけでもなく、OWの講習においても、その内容について指導方法など指導員の裁量に負う部分が少なくありません。(もちろんクリアすべき最低基準などはしっかり決まっており、むしろ厳しめの方が多いやもしれませぬ)裏を返せば指導員の裁量において講習生に対して様々なアプローチが可能という風にも言えます。

そんな中、数年前に日本水中科学協会(JAUS)に創設会員として参加することができたのですが、ここのプライマリー講習の動画を見てああなるほどなと。
すべきことすべてが非常に短い動画の中にギュッと集約されている。そんな感じでした。

この感覚を何とか「基本」として、「技術」として、そして「心得」として、講習生に伝えることができるかどうか・・・。今回のテーマはそこ。
というわけで、JAUSの動画を見せて「これが目標」と講習生にインプット。
それと実際の実習はマスクマウントで講習生の動作のほぼすべてを記録できているので、要所要所の修正やらよいところやらをすぐに確認できたり反省できたり。
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視覚教材はそういうもんだといえばそこまでですが、自身の動作と目標とする動作をすぐに比較して見られるというのは、学習として非常に効果が上がることを改めて実感。

至極出来がよいので、いつでも認定OKの状況で、本人の目標に向け「あとこことここをやりたい!」と講習生のほうから提案されるといううれしい誤算。

でもって、講習後、何回も一緒に潜りましたが、そりゃもう基本は当然ホバリング。初回から大変自然に、ほぼ着底無しで潜ってくれております。
ま、経験がまだまだなので、ところどころの挙動の多少のぎこちなさは仕方ないですが、それにしても全編ほぼ完璧なトリム。
さらに、「こうありたい」というイメージがキレイに入っているので、本人の向上心が強いのも思わぬ副産物。ファンダイブ中も自主的にチャレンジしてるからみるみるうちに身についていくという素敵な連鎖。

個人の資質というか性格もあるでしょうから、「必ず全員そうなるぜ!」というほど自信家ではありませんが、少なくとも「前回よりももっと良く」をしっかりと実感できる講習でありました。