お盆を目の前にしながら相変わらず少人数制ばっちりのYMSです。
海はすっかり暖かくなり、ほぼ年間の最高水温28~29℃を推移しています。浅場では場所によってはぬるさのあまり、透視度が悪いというのとはなんとなく違うのですが、なんとなくモヤッとしている感もあります。魚も水温が高い状態が続いているあたりでは少々のぼせ気味、やはり動きに精彩を欠くようです。とは言うものの、そこから数Mも水深をとれば、透視度や水温も正しく夏の快適な海になることが多いです。
例年よりも潜水地近くの潮は非常に早く動いているようで、潮通しのいい場所では、さまざまな生物たちが卵や精子を少しでも遠くへ放とうと産卵、放精を繰り広げています。先のスタッフちょい書きにでたナガニザを初め、コガシラベラ、ウニの仲間、ヒトデの仲間、ナマコの仲間、ウグイスガイの仲間など日頃は主役にはしてもらえない生物たちも放卵、放精のドラマを見ることができました。
淡水域では降雨により多少の水温低下があり、魚の活性は上がったものの、地元の子供たちが来るたびにエビやハゼが減っている気がするのは気のせいではないはず・・・。それでも水中では多くのハゼやエビが確認できるので、屋久島の淡水域の底力を見せられているようです。かなり上流域までボラの幼魚やオオクチユゴイが遡上していますが、水温低下のたびに温かい水が澱んだところへ避難してきているようです、今、元気よく動きまわって縄張りを主張しているのは、アユ、ゴクラクハゼで、時折、クロヨシノボリも喧嘩に参加しています。小さな虫ですが、ニンギョウトビケラの幼虫が、小さな石で作った寝袋を着たままエッチラオッチラ移動するさまはなかなか滑稽でもあり健気でもあります。小型のウナギの姿もちらほら確認しますが、先日は同じ長尺物でも、マムシが岸の岩を登って行ったのにはちょっとひいてしまいました。