2006/5

GWのあわただしい日々もすっかりあけて、屋久島の人里にも、ノンビリとした雰囲気が戻りつつあります。海はそんな人間の都合とは無関係に、着々と賑やかな夏へとその歩を進めております。このGWはその片鱗をあちこちで見ることのできるシーズンでありました。カンパチやツムブリなどの比較的大型の回遊魚がかなりの至近距離で確認ができています。その群れの中に中型のイソマグロが混じることもしばしばでした。もちろんその餌となるキビナゴも接岸していたのは言うまでもなく、キビナゴ自体の群れも一見に値する見事な形を刻々と変えていました。

オウモンイザリウオは数日間にわたりひたすらじっとしておりました。その姿勢も変わっていなかったのですが、ちゃんとご飯は食べているのでしょうか?今後の動きが気になるところです。

また、最近はトウカムリガイの追跡もマイブームになっています。砂地に落ちているさまざまな手がかりを追跡すると、お土産やさんでおなじみのトウカムリガイを発見できます。動きの少ない貝の仲間も、チョット良く見ればその暮らしの一端をちゃんと見せてくれています。

砂地を潜り歩く?小型の貝類もあちこちにその痕跡を残しているのでやはりストーキングを楽しむことができます。貝が砂の中から触角を出して外の様子を伺う様も時折見ることさえできます。

キンチャクガニもすっかり恋の季節を迎えておりあっちの岩陰やらこっちの石の隙間やらで、2人っきりでぴったりと寄り添い、愛をはぐくむ様子を見ることができます。その中のむつまじさは見ていて妬けるほどです。もうしばらくすると抱卵個体がごまんと出てくることと思います。ところでこれだけぴったりくっついているときはハサミの巾着は邪魔にならないものかと、ふと心配になったりします。

コブシメはどうやら産卵が一段落してしまった様子で、以前ほど活発な産卵行動は見られなくなりました。そんな中で非常に衝撃的な場面に遭遇しました。珊瑚の影で休んでいるメスのコブシメ、すっかりくたびれた様子で寄っていっても特に逃げる様子もなくじっとしている個体でした。あまりに動きがないので観察もこれくらいにして、さてそれじゃあ移動しましょうかと動き始めると、オスのコブシメが十数メートル以上遠くから(透視度いっぱいい以上の距離から)われわれに目もくれず、一気に近づいてきて有無を言わさずそのメスを確保、一気に交接に持ち込んだのです。その間わずか一分足らず。求愛も何もあったもんじゃありません。すさまじき繁殖への執念です。人間だったら完全に犯罪でしょう。

タイトルとURLをコピーしました