気になる・・・。“賑い”
先の投稿とはある意味、対極をなすこの写真。
僕はこういう壁や岩肌が大好きです。
ごく限られた面積の中でひしめき合うようにたくさんの生き物たちが暮らしています。
魚をはじめとする、ダイバーが見かけるたくさんの生物達の住まいであり餌場であり隠れ家であり、そんな賑やかな壁は、ある意味ダイバーを天敵とする、もっとも脆弱な環境でもあります。この環境は屋久島では案外と元から少ないのですが、ここ数年でさらにその面積を減らしているように感じます。
ダイバーとの接触で、僕らのフィンが、手が、排気が、この壁を容赦なく痛めつけ、そして最終的にはツルツルの殺風景な岩肌となってゆくのです。
激しく動くでなく、レアな生き物でなく、どうしても風景の一部として僕らの目に映るのこの景色は、ついついただの背景として気にも留められず踏みつけにされることが多いですが、ここに無数の命が息衝いていることを頭のどこかに入れておいてください。ただこれらを守るとかそんなご大層なお題目はいりません。豊かな壁はたくさんの生き物を育み、そしてたくさんのドラマを僕らに見せてくれる劇場なのです。僕らが楽しく潜るために、そんな背景を大事にしていきたいじゃありませんか!
この美しく賑やかな壁に、これからもずっとずっと変わらぬ姿でいてほしい、あるいはもっともっとにぎわった姿を見せてほしいものです。