ウミガメの産卵等の観察について

そういうわけで今年もウミガメ観察の季節がやってまいりました。

今年も永田ウミガメ連絡協議会によるウミガメ観察会が始まりました。
毎年毎年の繰り返しになってしまいますが、ウミガメの産卵観察については、賛否含め、多くの見解や意見があります。

個人的な見解からすると、産卵の見物はどうかなあ・・・。と思います。
もし自分の家族の出産に物見遊山で100名近い見物人がいたらと思うとわかりやすいでしょうか。
でも、その100名がまったくコントロールをされない状態で、砂浜で各々ウミガメを探すとなれば、これまた、とんでもないウミガメへの産卵妨害です。

しかしながら、(水族館とか動物園というのと同列に語るわけにはいきませんが)本物の地球の仲間たちとの出会いの場と考えることも、また重要な側面 です。やはり生で新しい命の誕生の瞬間に立ち会えることは、比類のない感動を呼び起こすことも確かです。もしかしたらその感動をきっかけに、自然への興味 を喚起したり、動 物の研究や保護に携わる人が出てくるかもしれません。

単純に何がよくて何が悪いということではなく、よく考えてみて、実際に自分は見に行くのかどうかを決めていただければと思います。

なお、島内にはウミガメに関する学習施設としてうみがめ館というのもあります
ウミガメに関するスタンスなども含め、ぜひご一読いただくことをお勧めします。
(こちらは産卵などの観察会はおこなっていません)

 

永田浜ウミガメ観察ルール

ウミガメは、4月下旬頃から始まる産卵シーズンになると、夜の浜に上陸し、産卵場所を 探し、気に入った場所を見つけると穴を掘り、卵を産み落とします。ところが、ウミガメは 光や人の気配に非常に敏感なため、人が夜の浜を歩き回ったり、懐中電灯を使ったりすると、 上陸をやめ、卵を産み落とす前に海に帰ってしまいます。また、7月上旬頃からふ化し始め る子ガメについても、人が歩きまわることにより砂が踏み固められると、砂の中から出てこ られずに死んでしまいます。

そこで、関係公共機関や地元保護団体で構成される「永田浜ウミガメ保全協議会」では、 ウミガメシーズンに永田浜へ訪れる方々に守っていただきたい事項をまとめた「永田浜ウミ ガメ観察ルール」を策定しました。
本ルールは地域の自主ルールとして定めたもので、法的な規制ではありません※。このため、 永田浜に訪れる皆さま1人1人のご協力があってこそ、効果を発揮するものです。世界的に絶滅 の危機に瀕しているウミガメの保護のため、どうぞご協力をお願いいたします。

※現在、本ルールの一部について、エコツーリズム推進法に基づく法規制を適用させるため、 準備を進めています。

永田浜では、ウミガメ保護のため、5/1から8/31までの19時30分から翌朝5時00分 までの間、浜への自由な立ち入りを制限します。

  • 対象場所:永田浜(いなか浜、前浜、四ツ瀬浜) ※永田浜は3つの浜の総称です。
  • 対象期間・時間:5月1日~8月31日 19時30分~翌朝5時00分 ※日中は浜に入れます。

浜への立ち入りに関するルール

  • → 5/1~5/14に訪れる方は、浜に立ち入らないでください。
    この時期ウミガメは上陸しますが、観察会を開催できるほどの頭数はあがってきません。 ウミガメの保護のため、浜へは立ち入らないでください。
  • → 5/15~7/31に訪れる方は、ウミガメ観察会に参加してくだ さい。
    地元永田集落によって立ち上げられた永田ウミガメ連絡協議会により、ウミガメ観察会が開催 されています。観察会は、永田浜へ訪れる見学者へウミガメに対する接し方を伝え、大勢の方 が浜中を歩き回ることでウミガメに悪影響を与えないよう始められた活動です。

    • 【ウミガメ観察会】定員80名・事前予約制
    • 予約受付期間・時間:4/1~7/31 13時00分~17時00分
    • 予約連絡先:永田ウミガメ連絡協議会事務局 TEL:090-8768-4281
      永田ウミガメ連絡協議会HP で予約状況を確認してから電話してください。
    • 集合時間:20時00分~20時30分
      20:30以降は受付できませんので、必ず時間内に集合してください。
    • 開催時間:20時30分~23時00分
    • 開催場所:永田いなか浜
    • 協力金:大人700円、高校生500円、中学生以下無料
    • 定 員:80名
  • →8/1~8/31に訪れる方は、永田浜ウミガメ保全協議会にお問い 合わせください。
    この時期、昨年までは屋久島でウミガメの生態調査を行っているNPO法人屋久島うみがめ館が 夜間臨時開館を行い、永田浜へ訪れる見学者へウミガメに関するレクチャーを行っていました。 また、子ガメが保護されている場合にはうみがめ館スタッフが子ガメを海に帰す様子を見学 することができました。
    しかし、同団体の活動(調査、夜間開館等)はボランティアの手によって支えられており、 現在のボランティアが不足している状況では、今年の夜間臨時開館が行えない可能性があります。 夜間臨時開館の実施については、ボランティアの参加状況により7月中旬に決定します。 決定後当HPに掲載しますので、それまで暫くお待ちください。
  • 観察する時に守るルール
  • 事前に必ずレクチャーを受けよう
  • スタッフの案内に従ってください
  • 光は消して
  • むやみに歩かないで、騒がないで
  • ウミガメには触らないで
  • カメラ、ビデオ撮影は行わないで
  • 酒類は持ち込まないで
  • 喫煙はしないで
  • ゴミは持ち帰ろう
  • 観察会や夜間開館終了後は浜に立ち入らないで

昼夜ともに守るルール

  1. ウミガメ保護柵内には立ち入らない
  2. 焚き火をしない
  3. キャンプをしない

報道関係者、研究者の皆さまへ
研究や報道を目的として永田浜を利用する場合は、

  1. 浜への立ち入りについて事前にご連絡ください。
    永田浜では浜への立ち入りを制限しています。現場での混乱を避けるため、事前に永田浜ウミ ガメ保全協議会事務局(屋久島自然保護官事務所 TEL:0997-46-2992)までご連絡ください。
    連絡様式:永田浜夜間研究・取材連絡届出書[WORD 33.5KB]
  2. ライトの使用やフラッシュ撮影は行わないで下さい。

    ウミガメの撮影を行う際には、赤外線カメラを使用する等ライトやフラッシュ撮影を行わないで ください。機器類の液晶画面やランプから漏れる光も布で覆う等してご注意ください。

    資料
    永田浜ウミガメ観察ルールガイド2011 [PDF5.4MB]
    永田浜ウミガメ観察ルール [PDF433KB]
    ラムサール条約湿地 永田浜 [PDF529KB]

    世界遺産センター WEBサイトより転載

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