シーズナリティー


屋久島の海では年間を通じて、多彩な海洋生物が、通年、観察できます。

透明度は、季節よりもむしろ降雨に影響されます。概ね20m前後です。但し、大雨直後などは、エントリー場所近辺ならびに水面直下1mほどの水は、かなり濁った状態になる場合があります。


水温の目安

春期(3〜5月) 夏期(6〜8月) 秋期(9〜11月) 冬期(12〜2月)
3月
水温19〜20℃
4月
水温21〜23℃
5月
水温23〜25℃
6月
水温25〜26℃
7月
水温26〜27℃
8月
水温27〜29℃
9月
水温29〜27℃
10月
水温27〜26℃
11月
水温25〜23℃
12月
水温22〜20℃
1月
水温20〜19℃
2月
水温18〜19℃

 




春期

水温の低い4月初旬までは、ハンマーヘッド等、サメの仲間の出現が報告されますカンパチなどの回遊魚も、大型の物が単体,もしくは少数の群れで出現してきます。ウミガメも大型の個体が多く、接近して観察することが可能です。

この時期には、ウミウシ数種の繁殖期がかさなり、水深ごとに異なる種類のウミウシの繁殖行動が観察できます。水温が上がり始めると、クマノミを始め、スズメダイの仲間の繁殖行動が始まります。共生ハゼも活発に活動し始めます。時折、クラゲ(クシクラゲ、サルパ類が主)の大群が出現し幻想的な光景が広がります。潮の加減で流れ藻と一緒にさまざまな魚たちも漂着し、見ごたえがあります。コブシメの姿も多く見られます。また,栗生では、非常に多数のウメイロモドキの群れが多く出現してきます。


夏期

コブシメの産卵が佳境に入り、見事な産卵風景と、卵を数多く観察できます。マジマクロイシモチの口内保育も観察できます。しばらくすると当歳魚も観察できます。他のテンジクダイの仲間も口内保育をしているのがあちこちで観察できます。但し梅雨の時期は降雨により透明度が悪くなる場合があります。梅雨が明けると透明度は安定してきます。特筆すべきはフリソデエビです。ポイントによっては複数のペアを観察できます。ナンヨウツバメウオの幼魚の成長していく様子も観察できます。キビナゴの数も増え、捕食者であるツムブリや、カンパチといった回遊魚も、頻繁に見られるようになります。ポイントにもよりますが、サンゴモエビ、ナマコマルガザミ、キンチャクガニ、ウミウシカクレエビ、ムラサキヤドリエビ、アミメサンゴガニ、など、さまざまな小型の甲殻類を比較的容易に観察することができます。ウミガメの産卵地周辺の海域では、漂う小亀の姿を目撃するときもあります。



秋期

この時期の魚影は大変濃く、キビナゴや、大型回遊魚などの魚群で視界が埋め尽くされることも珍しくありません。透明度は雨量により大幅に異なりますが、だいたい大雨直後で10〜15m、普通ならば20〜30m程度です。ツムブリ、ロウニンアジなど比較的大型の回遊魚の数が増えてきます。特にツムブリ、カンパチは遭遇するとダイバーを取り囲むように泳いでくれることも少なくありません。水温が下がり始めるとウメイロモドキの群れも姿をあらわし始めます。そうかと思えば、キンチャクガニやフリソデエビなどのマクロ系の生き物も見ることができます。


冬期

南方系の派手な魚がめっきり少なくなってきますが、ウメイロモドキ、そしてハギの仲間などの、比較的大きめの大きい魚の群れは、依然、よく目につきます。

また、ウメイロモドキの大群は、水温が下がってきたこの時期が最も観察しやすくなります。夏に比べ、大型のウミガメもかなりの確率で確認できています。また、この時期、屋久島で潜水中や釣りをしているときに、サメの目撃例が増えてきます。その種類は、ハンマーヘッド及びメジロザメの仲間が主です。水温が低めの間(春先位まで)は、サメの目撃確率は比較的高くなると思われます。


地理的な性格があると思うのですが、屋久島は、暖帯と亜熱帯の境界近くに位置しており、黒潮の流れなどのさまざまな状況により、年毎、そのシーズナリティーは大きく異なります。一年単位のシーズナリティではその状況の変化のすべてを把握することは出来ません。記載されているものがほとんど見られないこともあれば、逆に記載されていないものが大当たりすることもあります。良くも悪くも、あくまでも目安程度に考えていただければと思います。