周囲約130kmの屋久島の中央には、九州最高峰である標高1,936mの宮之浦岳がそびえています。その特異な地形ゆえの生物分布から、1993年にユネスコの世界遺産登録地となりました。平地で年間3,000〜4,000mm、山では8,000〜10,000mmも降り注ぐ雨が、豊かな森を育み、やがて川となり、海に流れ着きます。
屋久島は、森と海がつながっていることを実感させてくれる貴重な島なのです。

森から旅立つ水
屋久島の森には、神々しいまでの美しさがあります。一歩、森に踏み込めば、島の山岳信仰の所以が理解できることでしょう。南国のジャングルとは一線を隔した、凛とした空気がここにはあります。
森の静寂の中に、微かな気配や物音を察知したら、目を凝らして周りを見渡してみてください。ヤクザルやヤクシカがあなたを観察しているかもしれません。
雨の多い屋久島は、「月に35日雨が降る」とまで言われます。豊かな天の恵みが森の緑を育み続けているのです。水に恵まれた森には、樹木だけでなく、様々な苔が生えています。水分を含んだ苔は、木肌、岩肌を覆い、森の緑をいっそう深く濃いものにしています。苔に含まれた水は、やがて集まり始め、沢へと姿を変え、多くの川へと育ち、そして、時に、滝へと姿を変え海へと旅立つのです。屋久島の海は、まさに森とつながっている海と言えるでしょう。森の陰と、森から流れるでる川が小魚たちの揺りかごとなり、また,豊かな海を我々にもたらしてくれるのです。
巨大な花崗岩が織りなす、ダイナミックな水中景観!
そんな、森に育まれた屋久島の海の最大の特徴は、非常にダイナミックな景観にあります。一周道路からも望める山肌に代表される、花崗岩をはじめとした巨岩群。海中でも、この巨大な花崗岩や堆積岩が独特の景観を形成しています。まるで小山のような岩塊が折り重なり、自然が作った巨大な造形物にはただ圧倒されるばかりです。その岩盤をかすめるように、ツムブリ、ロウニンアジなどの大型回遊魚から、ウメイロモドキ、クマザサハナムロ、そしてキビナゴまで、さまざまな魚群が視界を覆い尽くさんばかりに現れ、そして、消えてゆくこともあります。
屋久島の海は、熱帯の珊瑚の海と、暖帯の日本的な海の双方の特徴をあわせ持っており、伊豆と沖縄の生物の両方が共存している中間地点なのです。島の沿岸は、北上してくる黒潮の通り道となり、ひとつひとつはそれほど大きくはありませんが、様々な珊瑚が岩についています。そして、入り組んだ地形が形成されている場所もあり、広がる白い砂、クレバス、アーチなどが楽しめます。
屋久島の海は、大物狙いのダイビングから、のんびりダイビングまで楽しめる、欲張りな海なのです。
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