気になる・・・。「いろいろなお声もございましょうが」

気になる・・・。「いろいろなお声もございましょうが」

さて。ここ最近、超至近距離でのウミガメとの遭遇が売りのようになっている屋久島のダイビング業界ですが、そのウミガメとの距離感も様々。

サービスの提供者側としては、いかに安全に大きな感動を持って帰ってもらうかという面と、いかに自然へのストレスを減らし少しでも自然への理解を深めてもらうというなかなか相容れにくい両面が激しくせめぎあいをする中。日々、皆様を海にご案内しているわけで、当然そこにはカメに限らず生き物との距離感という要因もあるわけです。

YMSでは基本的な考え方はこちらにある「海という環境の安全」の通りなわけですが・・・。
具体的にウミガメについては、超接近遭遇については、嫌がられないのであれば接近可。なおかつ直接的接触をしない(おさわり禁止)としております。

着底している亀であれば「そおぉぉっと寄ってね!」で済むわけですが、泳いでいるカメとなるとそういうわけにもいきません。

体験ダイビングでの話にありますが、まだうまく泳げないダイバー予備軍(じゃなくてもね)が自力でガッシガッシ泳ぎながら近づくのは、やはりあちらさんにとっても相当うっとうしいのではなかろうかと。

それでも「やっぱり近くで会いたいしなあ」と思うのが人情(笑)
で、こういう感じになるわけです。

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体験ダイバーさんをぶら下げて三位一体、あるいは二人一体のひと塊(1バディ)と化してから、こそこそっと泳ぎ寄らせていただいております。
(それでもウミガメにしてみりゃうっとおしいとは思ってます。ゴメンねぇ)

カメに接近しようたって体験ダイバー二人を捕まえて(しかもゆるゆるフロッグキックで)泳いでいるわけでその我々のスピードたるや超スローモー(笑)
そんなスローモーでも近寄れる子限定でこんな感じで接近遭遇。なおかつ体験ダイバーさんが触れる範囲まではいかないし手が伸びればその分ちょっと離れさせてもらってます。

当然僕のマスクマウントカメラにはゲストさんの後頭部とウミガメというなんとも絵になりにくい構図が出現するわけで(笑)

そんな海からの帰り道では、「カメがああやって元気なのはね」とか「生き物が普通に近い海って素敵でしょ。だからね・・・。」「それでも人の影響も海にはね・・。」とかとか、まあほんのり説教っぽい話もちらりほらり織り交ぜながら、雑談レベルではありますが、何かしら自然について考えてもらえるような伏線は張らせてもらったり、種をまかせてもらったりしてます。

あ、「自然は大事だから絶対に守りましょう!!」みたいな結論を押し付けるつもりはないです。体験から象徴的な出会いやイベントまで、要はキッカケまではお手伝いできますが、その先の結論は百人百様。
そもそも原理主義的な話になれば「無理やり海に潜るという行為自体が環境にやさしくないでしょ」ってことになっちゃいます。
なにより、ほとんどの人は遊びに来ているわけで、勉強を押し付けられたり、小うるさい説教を受けたりしに来てるわけでもございません。遊びからはじまってその先どうなるかは残念ながら僕らの手の届かないところ。

もちろん、そっから話が盛り上がればそりゃあもう、どんどんディープになることもございます(笑)

ただ、自然とか海に気づくとか、思いがいたるとかのはじめの一歩という意味では、ゲストさんに対しては「うっとおしくないように、でもちょっとはこっち向いてほしいなあ」くらいでよいと思ってます。
興味わかないうちに説教たれられて「なんだかなぁ・・・。」になっちゃったら本末転倒だし(笑)

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ま、「触っちゃだめよ」と言っていてもついつい手は出ちゃう初体験ダイバーさん。気持ちは痛いほどわかるけど、ごめんね。そんな簡単に触らせてあげないよ(笑)