第3回 ~なんちゃってワイド~
魚の群れの中に溶け込むように、ごく自然に混じっていく。タイミングももちろんあるでしょうが、ダイバー自身の海へのアプローチなんてぇものも、意外と大事なものでございます。
海の生物たちにだって、それぞれ立場というものがございます。
周りを脅かすもの、いつも追われているもの、のほほんとしているもの。
そんな多くの誰でも、人に追い立てられることを望んでいるとは思えません。
写真を撮るから、観察するから、いずれも生き物の生活を脅かす正当な理由にはなりません。
そんな海の生物たちの仲間になれる、あるいは、なれたと感じられる一瞬があったら、それはまた、なにものにも変えがたい至福ではございませんでしょうか?
海の生物を見下すでなく、追うでなく、迫りゆくでなく、図々しくなく、ごく自然に馴染んでいければいいのですが・・・。
「あ~そ~ぼ!」
遊んでいる友達の輪に入れてもらう、そのくらいの気安さと、遊び心があれば最高でございます。
肝心の撮り方ですが、この写真、むしろお客さんよりも僕の周りに魚が多い感じです。
魚のカーテン越しにモデルさん(お客さんです)を撮るという感じ。
そのときにできるだけ多くの魚たちが画面に入るようにカメラや体の位置を静か~~に動かしたりしてます。
何しろ手前の魚たちに嫌われちゃうと思いのほか殺風景になっちゃうもんで・・・。