2005/8

ゴーストパイプフィッシュが本日現在までに2ヶ所で確認できました。数年前にかなりの個体数が確認できたことがあったので、「今年も当たり年?」とささやかな期待をしてみたものの、残念ながらまだこの子達だけです。水温が29℃近くを推移していたせいもあるのでしょうか?キビナゴの姿が非常に少なく捕食者の回遊魚もいまいちという感じです。

黒っぽくて顔のかなりいかついクマドリ(?)イザリウオも一個体確認できました。個体が小さいこと、ベース色が地味なこと、どうした事か異常に動きがすばやいことがあり、はっきりとクマドリと確信がもてないのが残念です。

おそまきながら、あちこちでキビナゴのちょっとした群れと、小型のカンパチ、ツムブリなど、回遊魚の姿が高確率で見られるようになっています。捕食が始まったりあるいは回遊魚の活性が高いときは、触れるほど近くまで寄ってきて、ダイバーの目を楽しませてくれています。

カクレエビの仲間の抱卵はなんとなく終盤を迎えてきているようで、透けた体とくっきり見える卵の対比は、少しずつその遭遇率が下がってきています。代わりと言うわけではないですが、オトヒメエビやホワイトソックスなど、少々大きいクリーナーに抱卵個体が出始めているような様子です。

ぬるい海が続いております。ただいま水温28~29℃。先に29℃やら水面近くの30℃に使ってから28℃の潮に触れると、ものすごく爽快な感じがします。それでも十分暖かいのですが・・・。

なんてことを言っているうちに、海底には冷たい潮が現れました。水温は25~26℃。29度からいきなりこの潮に会うと泣きそうなくらい強烈な冷たさを覚えます。しかもこれだけ質の違う海水が接していると潮の流れもなんとも奇妙なことになり、普段全く流れないポイントが川のように流れたり、なんとも悩みどころですが、魚が急に入れ替わったり、普段見ない魚たちが出てきたり。それなりに楽しんでいます。。

また、この潮にはマダラトビエイがよくいるので、冷たく感じたときには必ずその大きな姿を探しています。最近では尻尾を入れずに軽く1.5Mを超える個体をちょいちょい確認できました。

透視度は今ひとつ・・。なんとなく白っぽい濁りを感じる15m前後が多いものの、ポイントや潮の加減で、突然25mを軽く超えそうな突き抜けるような青い海が広がることもままあります。

ニシキフウライウオはさらに2個体の合計4個体。このまま増えてくれと願いつつもなんとなく期待薄な気も・・・。

体験ダイビングでもお目にかかることのあるタイワンカマスの群れはご機嫌麗しいようで、じっと待っているとダイバーの周りをぐるぐる回ってくれたりします。それ以前に、密度はイマイチなれどキビナゴの群れは常にダイバーの回りを雪のように舞っています。

浅い砂地ではカスリハゼの幼魚でしょうか?わずか5㎜弱程度の個体が、まるでホタテツノハゼのような佇まいで鎮座しておりました。こんな目立つ場所にドンと構えていて翌日までほかの魚に食われたりすることは無いのだろうかといらぬ心配をしてしまいます。

ポイントは限られますが、すっかりタイミングを誤ったコブシメがポツリポツリと寂しそうに産卵をしています。暑いからかどうなのか分かりませんが、産卵シーズンに比べてその動きはなんとなくくたびれ模様です。

ここにきてやっとキビナゴもある程度は塊ででてくるようになり、真っ当なサイズの回遊魚が現れ始めました。眼前で繰り広げられる捕食シーンの迫力は圧巻です。

また、例年あまり群れを見ることの無いスカシテンジクダイがあちこちで群れているのが見られます。漠然とではありますがなんとなくいつもと海の様子が違っているような気もします。

よく出会うのは、異様にのんびり屋のセミホウボウ、うっかりしていると踏んでしまいそうなくらいノンビリ屋です。

ホタテツノハゼは大人に混じり、幼魚は大きさ3センチくらいのまだ可愛い個体。帆をあげたりたたんだり、落ち着き無く動いていることが多いです。イロブダイの幼魚超小型個体、わずか3~4ミリ程度でまるで爪楊枝の先っちょのような大きさです。それでもちゃんと赤白のカラーが判別できるものです。ハシナガベラの幼魚はあちこちの岩陰で出たり入ったりしながらダイバーの様子を伺っています。]]>

2005年8月1日(月)
元浦・タンク下 水温28℃ 透明度白にごり15M 西の風 波1.5M くもり・晴れ
本日のトピックス
元浦のタイワンカマス・ホソカマス普段は3~40のグループが何箇所かに分かれているのですが、本日はみんな仲良く1つのグループに!!これまでにない大きな群れが出来上がっています・・・・白い砂・青い海の中層を漂っているカマスたちは本当にキレイ!!先頭一匹が方向を変えれば右倣えで集団を崩さずみんな機敏についていきます、見習いたいチームワークです。
タンク下にはいとが無くなりかけのイトヒキアジ2個体がエントリー付近をゆうゆうと泳いでいます、シルバーの体はメタルチックでこれまた美しい!

2005年8月2日(火)
トンネル下・定置後 水温28℃ 透明度白にごり20M 南東の風 波1.5M 晴れ
本日のトピックス
ナガニザ産卵
定置後では、根の周りをナガニザ数百匹がせわしなく泳いでいます、
しばらくすると根の頂上・水面付近までつぎつぎに上りはじめ、産卵・放精。
辺りの水は白くにごってナガニザも確認できにくくなるほどです。
見た人にしかわからないすばらしい魚のパワーをじっくり観察。

お盆を目の前にしながら相変わらず少人数制ばっちりのYMSです。
海はすっかり暖かくなり、ほぼ年間の最高水温28~29℃を推移しています。浅場では場所によってはぬるさのあまり、透視度が悪いというのとはなんとなく違うのですが、なんとなくモヤッとしている感もあります。魚も水温が高い状態が続いているあたりでは少々のぼせ気味、やはり動きに精彩を欠くようです。とは言うものの、そこから数Mも水深をとれば、透視度や水温も正しく夏の快適な海になることが多いです。
例年よりも潜水地近くの潮は非常に早く動いているようで、潮通しのいい場所では、さまざまな生物たちが卵や精子を少しでも遠くへ放とうと産卵、放精を繰り広げています。先のスタッフちょい書きにでたナガニザを初め、コガシラベラ、ウニの仲間、ヒトデの仲間、ナマコの仲間、ウグイスガイの仲間など日頃は主役にはしてもらえない生物たちも放卵、放精のドラマを見ることができました。

淡水域では降雨により多少の水温低下があり、魚の活性は上がったものの、地元の子供たちが来るたびにエビやハゼが減っている気がするのは気のせいではないはず・・・。それでも水中では多くのハゼやエビが確認できるので、屋久島の淡水域の底力を見せられているようです。かなり上流域までボラの幼魚やオオクチユゴイが遡上していますが、水温低下のたびに温かい水が澱んだところへ避難してきているようです、今、元気よく動きまわって縄張りを主張しているのは、アユ、ゴクラクハゼで、時折、クロヨシノボリも喧嘩に参加しています。小さな虫ですが、ニンギョウトビケラの幼虫が、小さな石で作った寝袋を着たままエッチラオッチラ移動するさまはなかなか滑稽でもあり健気でもあります。小型のウナギの姿もちらほら確認しますが、先日は同じ長尺物でも、マムシが岸の岩を登って行ったのにはちょっとひいてしまいました。

 

 

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